
「ヤノベケンジ」でググると、まずはもちろんWikipediaが出てくる。けど、彼の仕事はウェブやテレビ映像の一次情報だけで判断できるものではまるでない。
明日、1晩限りで開催されるアートの祝祭「六本木アートナイト」に出展される、火を噴くロボット型オブジェ「ジャイアント・トラやんの大冒険」もその1つだ。

能書きは後に回すとして、まずはこの巨大なものが実際に六本木で火を噴いた様子を動画で見てもらおう。
「ヤノベの息子の音声だけを認識して行動するロボット」という役割を演じる全長7.2メートルの巨大オブジェは、実際に戦闘機に使用されていたミサイルポッドを背負っている。

その異様なまでの巨大さ、「口元」から発せられる鳴き声をサンプリングした轟音、そして火炎が残していく匂いの痕跡。それはいずれも技術の可能性と、「戦争」に向かいつつある危うさとをそのまま体現している。
ゴジラ、そしてゾンビなど「映像」が暴力を代替してきた時代が過ぎ、現在は映像同士をネットワークでつぎはぎし、虚構のアイドル(共有幻想)を生むボーカロイドの時代になった。

ネットワーク上で誰のものでもない音声と誰のものでもない映像をマッシュアップして「現実・のようなもの」を作っていく新たなリアリティーは、つるりと透明で、ざらりとした存在がどこにもない。
それと対置されるのがヤノベの「虚構・のようなもの」だ。その圧倒的な存在感はたしかな対象としてそこにある。それを肌身に感じ、考えたことを明日への糧にしてほしい。

■六本木アートナイト
2009年3月28日(土)10:00-3月29日(日)18:00
六本木ヒルズ、東京ミッドタウン、国立新美術館、サントリー美術館、六本木エリアの一部公共スペースおよび協力施設
入場無料(一部プログラムは有料)






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