
【短期連載】勝手広告・神酒大亮監督が語る「もっと勝手に!」
第1回「赤十字にヤマト運輸、勝手広告は今?」(4月7日)
第2回「勝手広告の働き方、作り手はバイトをするな」(4月8日)
第3回「Z会の“勝手広告”どうやって作った?」(4月9日)
第4回「勝手広告はこんなオフィスで生まれた」(4月10日)
日本赤十字やヤマト運輸など、一般企業の広告を勝手に作成し、YouTubeに投稿する「勝手広告」。企業イメージとのギャップに思わずクスッとさせられるその動画を作っていたのは、インディペンデント映画界で活躍する神酒大亮(みき・だいすけ)監督だ。
ウェブでのクチコミ効果をPRに利用するバイラル(感染型)マーケティングの1つの形態とも言える勝手広告。2008年4月には勝手広告を法人化した「株式会社ムービーインパクト」を設立し、コンテンツ型広告の制作受注を開始した。
「勝手に映像を撮って、その結果、好きなことを仕事にする」というすばらしい生き方に思わず憧れてしまうが、その裏側ではいつも「常識」との戦いが堪えない。それまでの映像文化の伝統をひっくり返す新たな「仕事」を模索する神酒さんの仕事から、デジタル時代の生き方を学んでみたい。
―― YouTubeに赤十字の「勝手広告」が掲載されたのがもう3年前の2007年ですね。まずはそもそも勝手広告がどういう経緯で作られたものなのか教えてください。

神酒 もともとショートフィルムや映画をやっていて、作品づくりの一環としてCMをやってみたくて撮ったのが「勝手広告」だったんです。
まさに勝手に始めましたからね。ポートフォリオ(作品集)を作るという意識もほとんどなかったです。
勝手広告は本当に気軽に作っているんです。「赤十字」はここのオフィスで撮ったんですよ。同じようにヤマト運輸の勝手広告はオフィスのすぐ裏手にある多摩川沿いで撮影しました。半径5メートルで撮影している感じですね。
面白いものが出来たので、それをたまたまYouTubeに上げておいたというだけなんですよ。まだYouTube自体も英語版だけのリリースだったので「出来るかな」というくらいの気持ちでした。
それが気づいたらいつの間にか再生数が増えていて、Yahoo!のトピックスにまで上がっていたので「これがまさにバイラルマーケティングか」と(笑)
それと「勝手広告」というネーミングそのものは、アートディレクター・中村至男さんと、メディアクリエイター・佐藤雅彦さんの共著「勝手に広告」(2006年、マガジンハウス刊)から来ています。
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―― 同じ勝手広告というジャンルでも古川健介(けんすう)さんなど複数のクリエイターが参加していますよね。現在、勝手広告はどんな立場にあるんでしょうか。

神酒 海外では本当に「勝手に」クリエイターが作った動画を企業が目に止め、正式な企業広告として採用している例がありますが、日本国内ではまだ少ないですよね。
そもそも勝手広告とはいえ、なかなか簡単には作れないんですよ。「一億総クリエイター」なんて叫ばれていたこともありましたが、そう簡単にはいかないと思います。
これまで映像作品というのは「業界に入る」しか発表の場がなかったわけですよね。映画を作る人なら、作ったものを上映して収入を得る。
そうでなければテレビ番組の制作会社で働くとか。それとはまた別の形で生きていくその手段として「勝手広告」があるんですよ。
勝手に作ったものが「自分」の宣伝材料になって、映像を作ってくれという注文が来るようになる。恐らく今後、そういった方向で映像を作っていく人も増えてくると思うんですよね。
ただ、クリエイターは職人気質の人が多くて「受注生産」的なところがあるんです。ぼく自身は草食か肉食かと言われたら肉食なんですが、他の人にはあまりそれを感じないですよね。もっと勝手にやってもいいと思うんですけど。
基本的に、YouTubeだけじゃなくGoogleのサービスが好きなんですよ。もうちょっとクリエイターも上手に使えていいと思うんです。誰かがグラウンドを準備しなくても、自主性を持って、それこそ勝手にやっていけるのが楽しいんじゃないかと思います。
(第2回「勝手広告の働き方、作り手はバイトをするな」 に続きます)
【短期連載】勝手広告・神酒大亮監督が語る「もっと勝手に!」
第1回「赤十字にヤマト運輸、勝手広告は今?」(4月7日)
第2回「勝手広告の働き方、作り手はバイトをするな」(4月8日)
第3回「Z会の“勝手広告”どうやって作った?」(4月9日)
第4回「勝手広告はこんなオフィスで生まれた」(4月10日)






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