
さとうかよ「私が何か間違えましたか?」 / 村越画廊
国内外のアーティストが集まり、アート作品をその場で売買できるアートフェア東京2009が、4月3日から5日までの3日間に開催された。
アートというと難しく考えがちだけど、思わず目を奪われる衝撃を持った作品にめぐりあうと、理屈よりもまずゾクゾクとした感動があふれだしてくるものだ。
そんなわけで、ゾクリと胸が震えた作品たちを写真で紹介していくことにしよう。
当たり前だけど、ここに出展しているギャラリーはほとんど入場無料。お気に入りの作家やギャラリーを見つけ、週末に散歩するなんていいんじゃないだろうか。

野口哲哉「シャネル侍 着甲座像」 / ギャラリー玉英
まずは野口哲哉さんによる、全身がシャネルの甲冑を着た侍「シャネル侍」から。もともとは2007年のシャネルによる若手芸術家支援プロジェクト「現代アーティストたちによる LE MONDE DE COCO――ココの世界」で出展したものだ。

野口哲哉「シャネル侍 着甲座像」 / ギャラリー玉英
甲冑は細部まですべてがCHANELのブランドロゴで埋め尽くされている。

石黒賢一郎 / ギャラリー小暮
続いてはガスマスクをつけた肖像画を描く、石黒賢一郎さんの作品。
退廃美と政治性が強烈に匂い立つ。
「ローソクプレイのお客様へ」というギャラリーの注意書きもすごい。

池田朗子 / The Third Gallery Aya(大阪)
こちらは写真家・池田朗子さんの半立体の写真作品。
人が写った部分だけを立ち上げることで、ふしぎな感覚を呼び起こす。

池田朗子「光景 their site / your sight」(青幻社)
これまでも同様のモチーフで制作をしており、青幻社から刊行している作品集もある。

山崎史生 「静かな隣人」 / イムラアートギャラリー(京都)
どこかユーモラスなクリーチャーをオブジェとして生み出している山崎史生さん。
スズメの体に人間の頭をつけるなど、言葉で伝えようとするとおっかないけれど、
実際にオブジェを見てみると愛らしく、思わずさわってみたくなってしまう。

山崎史生 「静かな隣人」 / イムラアートギャラリー(京都)
この多面ブタ(?)の温和な表情ったらない。いきものが背負わなければならない絶望をやわらかく諭されているようにも感じられる。

三塚信「New Town」 / 野田コンテンポラリー
現役の建築家でもある三塚信さんが作った、日本の狭い住宅事情をシニカルな目線で捉えた作品。この鮮やかな黄色はすべて蜜蝋で出来ている。

三塚信「New Town」 / 野田コンテンポラリー
今後は蜜蝋の「溶けてゆく」特製を生かし、アウシュヴィッツや天安門など歴史的な側面を再現していきたいという。ちなみに蜜蝋は意外と高く、今回の作品は「1軒」あたり原価で3000円するのだとか。

伽羅 「鶏二(紫陽花雄鶏図・伊藤若冲)」 / 野田コンテンポラリー
手足のないトルソー形式で作られた人形に、若冲の絵画があしらわれた作品。
思わず足を止める人も多い。

伽羅 「鶏二(紫陽花雄鶏図・伊藤若冲)」 / 野田コンテンポラリー
独特のオリエンタルな感覚に惹かれ、中国など海外でも評価が高まっているという。北京のテレビ局から取材を受けたケースなどもあったとのことだ。

中ザワヒデキ「70枚の硬貨から成る921円」 / ギャラリーセラー
絵画をモチーフやテーマではなく方法から刷新する「方法絵画」の可能性を模索する中ザワヒデキさんの作品。何とでも交換できる硬貨が、こうしてモチーフとして貼られるとフェティッシュな価値を持ちはじめる。

細川真希 / ギャラリーセラー
キュートな瞳で名画のオマージュ作品を描き続ける細川真希さん。
こちらは言わずとしれたフェルメール「真珠の耳飾りの少女」のオマージュ。
他に出展していたオリジナル作品も超キュート!

ムットーニ(武藤政彦)「FIN」「SECOND WIND」 / ケンジタキギャラリー
脇に添えられたスイッチを押して中を覗き込むと、カラクリ人形が音楽に合わせて動きはじめる「電動カラクリ・シアター」というもの。作家の武藤さんは「自動からくり人形師」という二つ名を持つアーティストだ。

糸崎公朗 / ギャラリーアルテ
先ほどの池田朗子さんと発想の似ている、半立体の写真作品。
アーチの中ほどに「練馬区東税務署」とのぼりが下がっている。

糸崎公朗 / ギャラリーアルテ
よく見るとこちらは写真のカットアップから作られている。
細部を見るとどこでもない懐かしさにとらわれるが、どこでもないという異邦性に弾かれてしまう。

さとうかよ「私が何か間違えましたか?」 / 村越画廊
冒頭にも写真を掲載した、さとうかよさん。ぬいぐるみを解体/再構成したものだ。
もともと生きてはいないという前提を意識することで、余計に人為性が増す。
アネット・メサジェと同じ暴力性を感じるけど、こちらはぼくたちと同じ環境から生まれたもので、そのぶん親近感が沸いてしまう。おかげで見るほどに、おそろしい。

岡芳恵「白蔵主」 / 村越画廊
こちらもクリーチャーだけど、かなり耽美なもの。
狐の変化である白蔵主をオブジェとしたもので、顔にはくずれた狐の面が転がる。

北川宏人 / 東京画廊+BTAP
イタリアでテラコッタ彫刻を学んだという北川宏人さん。
とろんとしたまなざしが、いわゆる「彫刻」のがっちりとした感覚とは異なって面白い。

木下雅雄 「BABY」 / MEGUMI OGITA GALLERY
2003年のGEISAIミュージアムグランプリを受賞した木下雅雄さん。写真はキューピーを人体模型に重ね合わせた2007年の作品。

大畑伸太郎 / YUKARI ART CONTEMPORARY
最後はポップな作品性で目を引く大畑伸太郎さん。
立体と絵画の中間に位置する、ややフラットな作風はとても親しみやすい。
どこか90年代以降のエレクトロサウンドを想起させるような気もする。







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