
このごろウェブで「本」が騒がしい。
Googleブックのやり方には納得できないけれど、あわただしく変わっていく時代の中でこそ才能は生まれ、そして時代を担っていくもの。パソコン通信時代にパスカル短編文学新人賞からデビューした川上弘美さんのような例もあり、この期をひとつの輝かしき時代ととらえることもできるはず。
そこで重要なのは、小説や写真、あるいはエッセイなどの発表の場だ。
音楽や映像作品に関しては、YouTubeやニコニコ動画、myspaceといった巨大なプラットフォームが用意されていた。けれど書籍的なもの(文字や映像を中心としたコンテンツ)になると話は変わり、「そんなプラットフォームってあるの?」という話になる。
今、そこにあらわれているのが電子ブックで読者と作者をつなげるという新たな出版の仕組み“デジタルブックSNS”だ。その1つが、4月16日にオープンしたばかりのSNS「mixPaper」。運営しているのは、マンガ専門のSNS「マンガ読もっ!」も運営するファンタジスタだ。実際にどんなものか、試してみた。

まずは情報を登録してアカウントを作成、ここまでは通常のSNSと同じだ。

つづいていよいよ「新しいブックを作る」から本を作りはじめる。本の素材としてアップできるのは画像イメージ、文字をレイアウトしたい場合はあらかじめDTPソフトや画像加工ソフトで加工しておく必要がある。
無料登録の場合はファイルのアップロード上限が50MBなのだが、それって小さすぎるのでは。月額525円の有料プラン「ライトプラン」では300MBになるが、それもちょっと高い気が。今後に期待。

ともかく参照し、書籍としてアップロードしたい画像を選択していく。

追加できたら次へ。
足りないと思ったら「アップロードしなおす」で容量の許す限り追加。

つづいて、本の開きやトビラの扱い、書籍のタイトルと書誌紹介文を入力して作成完了。お好みでタグを追加することも。

そんなわけで、あっさりできたデジタルブックがこちら。東京都内で撮ったお花の写真。

右開きになっていて、クリックするとページを送る。ページをめくる際にさらさらという効果音が聞こえるのはちょっとうれしい。

見開きになるとこんな感じ。文字を乗せないと寂しいかもしれない…。やっぱり前提となるのは、なんらかの加工ソフトを持っていること。それはヤマハのVOCALOIDを駆使してオリジナル曲を投稿するクリエイターと同じかもしれない。

もちろんSNSなので他のクリエイターとコミュニケーションをとることもできる。
これまで「本」を介したコミュニケーションがとれるSNSは「BCCKS」(ブックス)や、「超文系サイト texpo」(テキスポ)の2大サービスが存在していた。
BCCKSは出版社のリトルモアなどやマガジンハウスと組んで公募から写真集を作りだしたりなど、既存業界とのつながりも厚いサービス。書籍として追加できる素材も、画像にテキストにと幅広く、SNSやブログで日記を書く感覚で投稿できる。
一方のtexpoは「文芸」の投稿に特化していて、小説やライトノベルなどの投稿が多い。
その意味で、今回の「mixPaper」はどちらかというと、法人を中心として「自分のコンテンツをレイアウトしたデータから、電子書籍を作りたかった」という明確な目的を持ったユーザーが集まるサービスと言えるかもしれない。
3者をはじめとしたデジタルブックSNSから、次の世代を担う「書いてみた」「書籍作ってみた」才能が生まれ、どう育っていくのかが楽しみだ。






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