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勝手広告はこんなオフィスで生まれた

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【短期連載】勝手広告・神酒大亮監督が語る「もっと勝手に!」
第1回「赤十字にヤマト運輸、勝手広告は今?」(4月7日)
第2回「勝手広告の働き方、作り手はバイトをするな」(4月8日)
第3回「Z会の“勝手広告”どうやって作った?」(4月9日)
第4回「勝手広告はこんなオフィスで生まれた」(4月10日)

3回に渡り「勝手広告」を作った神酒監督の働き方について聞いてきた。その根幹にあったのは「やりたかったら、誰の手も借りず、勝手にでもやってのける」というバイタリティと、先進的なものを自分の生き方に取り込んでいこうという姿勢だ。
最後はちょっと脱線して、「勝手広告」が生まれたオフィスをご紹介。デジタルメディアに関心のある人なら絶対必読という神酒さんお勧めの1冊も伺った。それではどうぞ。

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オフィスは多摩川沿い。
ここの土手で「ヤマト運輸」勝手広告のキャッチボールシーンが収録されたのだとか。

やわらかな光が差し込む。

第3回記事で登場した新聞ロボ。ダンボーのライバルだろうか。

アップにするとけっこう可愛い。

「首取れるんですよ」 いやいやいや。

プランナー兼アーティストの磯田彩さん。
「赤十字」などの勝手広告ではおなじみの顔。

オフィスはワンルーム。奥にはキッチンスペースが。

棚には資料のDVDがぎっしり。

参考書籍も…ってマンガ多いですね。

「種Book」と描かれたアイデアメモ。

「ベンチャー忍者」という謎の走り書きが。

作業環境はiMac。

最後に紹介してくれたお勧め書籍はヴァルター・ベンヤミン「複製技術時代の芸術」。「この本には、今起きてることがすべて書いてあります」と熱く語ってくれた。ぜひトフラーやマクルーハン、ハロルド・イニスなどと共に本棚に入れておきたい。

【短期連載】勝手広告・神酒大亮監督が語る「もっと勝手に!」
第1回「赤十字にヤマト運輸、勝手広告は今?」(4月7日)
第2回「勝手広告の働き方、作り手はバイトをするな」(4月8日)
第3回「Z会の“勝手広告”どうやって作った?」(4月9日)
第4回「勝手広告はこんなオフィスで生まれた」(4月10日)

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Z会の“勝手広告”どうやって作った?

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【短期連載】勝手広告・神酒大亮監督が語る「もっと勝手に!」
第1回「赤十字にヤマト運輸、勝手広告は今?」(4月7日)
第2回「勝手広告の働き方、作り手はバイトをするな」(4月8日)
第3回「Z会の“勝手広告”どうやって作った?」(4月9日)
第4回「勝手広告はこんなオフィスで生まれた」(4月10日)

「勝手広告」神酒監督に、“勝手”というデジタル世代の生き方・働き方を学ぶ短期連載。第1回、第2回と「勝手広告」を鍵とした働き方、働くことそのものについての考え方を聞いてきた。本稿ではその実践ケースとして「Z会」の勝手広告を作ったときの話を伺う。作り手たちを巻き込んだ今後の「勝手な展望」についても詳しく聞いた。

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―― ムービーインパクトの仕事に「Z会」のウェブCMがあります。デザイナーなどと同じなのかもしれませんが、クリエイター側として作りたい広告と、クライアント側として作りたい広告がぶつかることはありませんでしたか。あったとしたら、それをどう乗り越えられましたか。
神酒 実はあのCMには「正式広告」と「勝手広告」の2バージョンがあるんですよね。NGがないかどうかだけチェックしてもらい、内容には口を出さないという約束で作らせてもらったものと、本当に効果を促進してほしいものという2パターンです。
 Z会さんは勝手広告に対して非常に理解があり、打ち合わせはしたんですが、クリエイティブには注文されませんでした。「自由にやってほしい、信じているから」という感じでしたね。
 第三者が第三者のイメージでZ会の特徴を広告してくれることに価値がある、トーン&マナー(広告での一貫した企業ブランディングのこと)に反していなければいいと。ありがたかったです。
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 広告の世界で有名な「バイラルディレクター」さんと仕事をご一緒する機会がありまして、それが「サラリーマンがもの凄い」というシリーズなんですが、1日で何万PVも視聴数が上がりました。面白いものを作れば観てもらえるんですよ。
 バイラルCMは、広告を作る側の目線が「クライアント様寄り」であるよりも先に「お客様寄り」なんですよね。「お客様」の姿が見えるんですよ。
 制作会社がクライアントにゴマするCMより、素直で面白いCMの方が見たくなると思うんです。ネットではお客様に動画を探し出してクリックしてもらう必要がありますから、そこはクライアントさんにも汲んでもらえますよね。
 
 
―― 現在、株式会社ムービーインパクトの活動の一環として、俳優や詩人、写真家といった様々なアーティストを巻き込んだプロジェクト「θproject(シータプロジェクト)」を運営されていますよね。こちらは勝手広告と関係のあるプロジェクトなんですか?
神酒 広島市立大学の卒業生を集め、2000年に結成したグループです。元々一緒に活動していた仲間が卒業してバラバラになるのはもったいないというので、名前をつけてグループ化しているんです。
 1つの映像を作るにはもちろん監督だけではなく、俳優さんや音楽を作る人など、様々な才能が必要なんですよね。2002年に東京に出てきて、2階建ての一軒家を借りて5人のメンバーで住みはじめたのが始まりですね。そこからイベントをやったりしながら今に至るという感じです。
 卒業生ということで集まっているので、本当にメンバーも色々です。NHK「えいごであそぼ」のアニメーションを作っているチームがいたり、今フランスで公演をしている俳優がいたり、中学校で教諭を勤めている人がいたり。(笑)

 今度asahi.comがYouTubeに作っている公式チャンネル「Channel ASAHI」でこのロボット(写真)が出演しているんです。
 口から新聞が出てくる「新聞ロボ」というキャラクターなんですけど、そこに赤十字の勝手広告に出てくる男の子が出てくるんですね。その子もこのプロジェクトに所属しているメンバーの子どもなんですよ。
 今はまだ投稿動画というグラウンド自体、著作権や肖像権の関係でメディアにコンテンツを出しづらいところがあると思うんですね。それに比べてぼくのCMは出演とか楽曲提供が仲間内で成り立っているので、著作権や肖像権はしっかりクリアされているんです。だからクライアント側としても「使いやすい」わけです。
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―― 今後、神酒さんが勝手広告を通じてやってみたいことはありますか? また映画監督としての活動についてもお伺いしたいのですが。
神酒 やっていきたいのは「勝手広告上映会」* です。全国の新進気鋭のクリエイターさんを集めて、みんなの勝手広告を上映するんです。そして今後の勝手広告の展望を勝手に熱く語り合うと。
 それこそもう勝手に盛り上がりたいですね(笑)。記念すべき第1回上映会を、4月27日の15時から渋谷UPLINKで開催しようと思っています。
 映画は「サイクロプスの涙」という長編作品が完成したので、手当たり次第に映画祭に出品しています。配給が決まればいいんですが、決まらなくても全国の小さな映画館を回ります。本当はこうした上映事情について、もっと活発に議論が交わされるべきなんですよね。
 月に1回、そこの河川敷に作り手たちが集まって議論を交わす飲み会「エコ飲み」を開いているんですが、なかなか突っ込んだ話にならないんですよね。もっとそういう場を設けられる主催者が欲しいところです(笑)

渋谷の日(4.28)前夜祭/勝手広告上映会
4月27日(月) 15:00上映開始 (14:45開場) 16:00終了
渋谷UPLINK 全席70席(関係者含む総収容席数)
渋谷区宇田川町37-18 トツネビル
参加無料/50名程度まで
参加方法: 氏名・参加人数を明記の上、info@movieimpact.netまで連絡

(第4回「勝手広告はこんなオフィスで生まれた」に続きます)

【短期連載】勝手広告・神酒大亮監督が語る「もっと勝手に!」
第1回「赤十字にヤマト運輸、勝手広告は今?」(4月7日)
第2回「勝手広告の働き方、作り手はバイトをするな」(4月8日)
第3回「Z会の“勝手広告”どうやって作った?」(4月9日)
第4回「勝手広告はこんなオフィスで生まれた」(4月10日)

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勝手広告の働き方、作り手はバイトをするな

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【短期連載】勝手広告・神酒大亮監督が語る「もっと勝手に!」
第1回「赤十字にヤマト運輸、勝手広告は今?」(4月7日)
第2回「勝手広告の働き方、作り手はバイトをするな」(4月8日)
第3回「Z会の“勝手広告”どうやって作った?」(4月9日)
第4回「勝手広告はこんなオフィスで生まれた」(4月10日)

「勝手広告」神酒監督に、“勝手”というデジタル世代の生き方・働き方を学ぶ短期連載。第1回では勝手広告の背景と今後の展望を聞いた。第2回では広告制作会社として法人化した神酒監督の「働き方」について、その目標と考え方を聞く。

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―― ちょうど1年前に株式会社ムービーインパクトという形で勝手広告は法人化して「仕事」にしていますよね。神酒さんにとって「働く」とはどういうことなんでしょう。

神酒 「勝手広告がブレイクした」のより、実は「株式会社を作ろう」が先だったんですね。
「ネットの映像広告は絶対にコンテンツ型になる」という確信があったので「バイラル広告の会社を作ろう」という思いがあったんです。
 正確に言うとコンテンツ型(勝手広告のようにPRそのものを娯楽にする)とインフォマーシャル型(テレビショッピングのように、商品情報そのものを広告する)に2極化するだろうということですね。いわゆるプッシュ広告、プル広告です。
 その流れで、今春にはケータイ版の「ワンミニ」というECサイトを作ってみようじゃないかという話があるんですよ。自分たちで「勝手広告」のプッシュ/プル広告を作ってみて、実際に売ってみようじゃないかという。1分間、1ミニッツで観られる広告を作ろうというコンセプトですね。
 まずは売れ筋を売らせてもらって、その後で色々なところに挑戦してみたいんですよね。そこで当たったら、一家族だけで運営されているようなマニアックなショップを発掘してCM作るのも面白いのではないかと(笑)

 ただ、そういう広告制作会社としての側面はもちろんあるんですが、最終的には勝手広告を作れるようなクリエイター、作り手を組織化したいと思っているんですよ。
 1万人以上の作り手が毎年のように社会に出てくるわけですよね。それに対して彼らを求める企業の数は圧倒的に少なくて、その9割が東京なんです。
 せっかくコンテンツを作れるのに、それを使った仕事がない。みんながDVDを作って売れるかと言ったらそうではない。才能という宝が量産されているのに、ただただ埋もれていってしまっているという状態です。それを何とかしたいという気持ちがあります。
 その意味で「企業が一般公募で動画を集めて賞金を出す」という仕組みではなくて、「あなただからこの商品の作品を作ってほしい」という仕組みが絶対に必要だと思うんです。現在はクリエイターズギルドさんやロフトワークさんなんかもありますが、そんな中でバイラル広告の作り手組織という1つの窓口になれたらと思っているんです。

 ですから、YouTubeやSkypeを使いこなして、地方在住の作り手さんにもしっかりした仕事を与えたい、というのが法人としての目標ですね。まずはコンテンツ型広告に興味のある作り手から連絡が欲しいです。監督や音楽をやっている方、俳優の方、連絡してください!
 ちなみに作り手に向けて言うと、アルバイトは絶対にしない方がいいですよ。バイトをしているとバイトで終わっちゃうんです。まず飢えないとダメ。
 生活費はどうする? ということで考える。クリエイティブの仕事はそうそう転がってないから必死になるでしょう。そこから始めていくのがいいと思います。
(第3回「Z会の“勝手広告”どうやって作った?」 に続きます)

【短期連載】勝手広告・神酒大亮監督が語る「もっと勝手に!」
第1回「赤十字にヤマト運輸、勝手広告は今?」(4月7日)
第2回「勝手広告の働き方、作り手はバイトをするな」(4月8日)
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第4回「勝手広告はこんなオフィスで生まれた」(4月10日)

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赤十字にヤマト運輸、勝手広告は今?

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第1回「赤十字にヤマト運輸、勝手広告は今?」(4月7日)
第2回「勝手広告の働き方、作り手はバイトをするな」(4月8日)
第3回「Z会の“勝手広告”どうやって作った?」(4月9日)
第4回「勝手広告はこんなオフィスで生まれた」(4月10日)

日本赤十字やヤマト運輸など、一般企業の広告を勝手に作成し、YouTubeに投稿する「勝手広告」。企業イメージとのギャップに思わずクスッとさせられるその動画を作っていたのは、インディペンデント映画界で活躍する神酒大亮(みき・だいすけ)監督だ。
ウェブでのクチコミ効果をPRに利用するバイラル(感染型)マーケティングの1つの形態とも言える勝手広告。2008年4月には勝手広告を法人化した「株式会社ムービーインパクト」を設立し、コンテンツ型広告の制作受注を開始した。
「勝手に映像を撮って、その結果、好きなことを仕事にする」というすばらしい生き方に思わず憧れてしまうが、その裏側ではいつも「常識」との戦いが堪えない。それまでの映像文化の伝統をひっくり返す新たな「仕事」を模索する神酒さんの仕事から、デジタル時代の生き方を学んでみたい。

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―― YouTubeに赤十字の「勝手広告」が掲載されたのがもう3年前の2007年ですね。まずはそもそも勝手広告がどういう経緯で作られたものなのか教えてください。

神酒 もともとショートフィルムや映画をやっていて、作品づくりの一環としてCMをやってみたくて撮ったのが「勝手広告」だったんです。
 まさに勝手に始めましたからね。ポートフォリオ(作品集)を作るという意識もほとんどなかったです。
 勝手広告は本当に気軽に作っているんです。「赤十字」はここのオフィスで撮ったんですよ。同じようにヤマト運輸の勝手広告はオフィスのすぐ裏手にある多摩川沿いで撮影しました。半径5メートルで撮影している感じですね。
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 面白いものが出来たので、それをたまたまYouTubeに上げておいたというだけなんですよ。まだYouTube自体も英語版だけのリリースだったので「出来るかな」というくらいの気持ちでした。
 それが気づいたらいつの間にか再生数が増えていて、Yahoo!のトピックスにまで上がっていたので「これがまさにバイラルマーケティングか」と(笑)
 それと「勝手広告」というネーミングそのものは、アートディレクター・中村至男さんと、メディアクリエイター・佐藤雅彦さんの共著「勝手に広告」(2006年、マガジンハウス刊)から来ています。

―― 同じ勝手広告というジャンルでも古川健介(けんすう)さんなど複数のクリエイターが参加していますよね。現在、勝手広告はどんな立場にあるんでしょうか。

神酒 海外では本当に「勝手に」クリエイターが作った動画を企業が目に止め、正式な企業広告として採用している例がありますが、日本国内ではまだ少ないですよね。
 そもそも勝手広告とはいえ、なかなか簡単には作れないんですよ。「一億総クリエイター」なんて叫ばれていたこともありましたが、そう簡単にはいかないと思います。
 これまで映像作品というのは「業界に入る」しか発表の場がなかったわけですよね。映画を作る人なら、作ったものを上映して収入を得る。
 そうでなければテレビ番組の制作会社で働くとか。それとはまた別の形で生きていくその手段として「勝手広告」があるんですよ。
 勝手に作ったものが「自分」の宣伝材料になって、映像を作ってくれという注文が来るようになる。恐らく今後、そういった方向で映像を作っていく人も増えてくると思うんですよね。
 ただ、クリエイターは職人気質の人が多くて「受注生産」的なところがあるんです。ぼく自身は草食か肉食かと言われたら肉食なんですが、他の人にはあまりそれを感じないですよね。もっと勝手にやってもいいと思うんですけど。
 基本的に、YouTubeだけじゃなくGoogleのサービスが好きなんですよ。もうちょっとクリエイターも上手に使えていいと思うんです。誰かがグラウンドを準備しなくても、自主性を持って、それこそ勝手にやっていけるのが楽しいんじゃないかと思います。
(第2回「勝手広告の働き方、作り手はバイトをするな」 に続きます)

【短期連載】勝手広告・神酒大亮監督が語る「もっと勝手に!」
第1回「赤十字にヤマト運輸、勝手広告は今?」(4月7日)
第2回「勝手広告の働き方、作り手はバイトをするな」(4月8日)
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第4回「勝手広告はこんなオフィスで生まれた」(4月10日)

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