【短期連載】西島大介がマンガっちを「終わらせる」理由
第1回 「西島大介×郵便局のきっかけは?」 4月15日
第2回 「マンガっちというオルターエゴを“終わらせる”理由」 4月16日
第3回 「西島大介直筆・郵便局“新生活物語”キャラ、幻の没テイク」 4月17日
デビュー作『凹村戦争』をはじめ、『土曜日の実験室 詩と批評とあと何か』『世界の終わりの魔法使い』『ディエンヴィエンフー』で90年代以降に生きるデジタル、サバイバル世代の共感を得てきた漫画家・西島大介氏。
サブカル雑誌の金字塔「Quick Japan」などでエッセイストとしても活躍していた氏が今春「郵便局から始まる新生活物語」でマンガを描いていることに「な、なぜ?!」と度肝を抜かれた人も多いはず。というかぼくがそれだ。
「これは絶対に“郵便的”から発想したに違いない!」などとムダに深読みしながらプロモーション担当者に話を聞いてみると、当たり前だがどうもそうではない様子。
なーんだそうかと思って話を聞いていると、「西島先生は今回の仕事を最後に、自身の分身でもあるキャラクター“マンガっち”をもう描かなくなるかもしれないんですよね」という言葉が耳に入ってきた。
「は?」と思わず失礼な言葉が口をついて出た。
「マンガっち」(右)は最近手がけている西島さんのほとんどの仕事に入っている、いわば「自画像」だった。それを郵便局の仕事を期にやめるってどういうことなのだ。
いつもどおり前置きが思わず長くなったけど、今回の顛末を直接、漫画家・西島大介さんに伺ってきた。
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―― さっそくマンガっちの話に行きたいのですが、まずはその前に「郵便局“春のありがとうフェア”」サイト内でマンガを描くことになったときのことを教えてください。
西島大介(以下「西島」) 初めから「マンガっちを描いてくれ」ということではなく、郵便局「春のありがとうフェア」と漫画家を組み合わせたプロモーションを、ということでお話をいただいていました。
「若い読者がいる漫画家」ということでお話があったんですね。なので、ぼく以外にも数名の漫画家さんがいて、その中から選ばれたんです。
ただ、それまでにも同じような広告系の仕事でぼくのマンガを使いたいという話はあったんですが、大体落ちるんです。受からないんですよね。
今回の話をいただいた担当者が、元々「Quick Japan」(以下「QJ」)で「新種発見! マンガっち」の編集を担当されていた林さんだったということもあって、じゃあ引き受けようということになりました。「どうせ落ちても、林さんの顔は立てたい」くらいの気持ちで考えていたんです。
最初は「魔法使い」とか「ディエンヴィエンフー」のキャラクターでどうですか、という話を持ちかけられたんです。たとえば魔法使いがホウキに乗って郵便配達するという感じで言われたんですが、それはさすがにセルアウトすぎるし、難しいなと。
見た目がかわいいキャラクターでも話が話なので絡みづらいという自分の作品がアダになっているなと感じました。郵便局マークをモチーフにしたオリジナルキャラクターも描いてみたんですが、これはこれで「あんまりだ」ということになりまして。
それなら「マンガっちならどうだろう」ということになりまして。マンガっちなら何でも言えるなと。便利だなと。先ほどのオリジナルキャラクターとマンガっちを両方プレゼンしたんですね。「マンガっち通してほしいな」という気持ちをこめています。
―― マンガのネタはご自身で考えられていたんですか。
西島 はい。最初はマンガじゃなかったんですけど、やっぱり「マンガ家とコラボする」ということであればその方がいいだろうと。4コママンガとして成立しているかと言われたら謎なんですけど(笑)
マンガっちで行こうと思った瞬間から「(マンガとして)自由にやれる」という感覚になったんですね。魔法使い、でと言われると堅くなってしまうところがあったんです。
それはプレゼン資料としても反映していました。「エッセイマンガの自画像的キャラクターなので、出版社のものではない。著作権フリー。帽子をかぶせれば“新生活物語”向けにに変身できる」とかもう強烈にアピールしてましたね(笑)
(第2回 「マンガっちというオルターエゴを“終わらせる”理由」 に続きます)
■関連サイト: 郵便局から始まる新生活物語
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